ザリガニソン:ザリガニ・ウォッチング・マラソン

ザリガニソンの目的と意義

ザリガニソンは、一般市民が同じ方式によりザリガニの生息調査をする、全国
でもはじめての企画です。この調査には、以下の目的と意義があります。

1.ザリガニの分布状況を把握しその情報を共有し環境保全の基礎データとする


 「どこに、どんなザリガニがいる」かを把握することは、各種の環境保全活動を行うための基礎となります。北海道には3種のザリガニが生息しています。これらの種がどのような地域・どのような環境に生息しているのか、北海道全体として把握されていません。ザリガニソンでは、一般市民の協力によって、「北海道のザリガニ」と「周辺の自然環境」を把握し基本となるデータをたくさん集め、そのデータを共有し、環境保全に活用することができるようにします。

2.生息分布の変化を知る

 ザリガニソンは、冬季など調査ができない季節もありますが、一年をとおして調査の報告を受付ます。同一生息地の定期的調査や新たな生息地の調査など、この調査を継続していくことで、過去の結果と比べて、生息種、生息地、生息数、周辺の自然環境の変化を知ることができます。


3.自然環境の変化を明らかにする


  さまざまな経済活動や人によるウチダザリガニの放流が原因となって、ニホンザリガニの生息地や個体数が減少しています。ザリガニソンによって、ザリガニが生息する周辺の変化を継続的に追跡すれば、自然環境の変化やニホンザリガニ保全のために必要な環境条件を明らかにすることができるかもしれせん。ザリガニの力をかりて調査を継続していくことで、身近な水辺環境や自然環境の保全に役に立つ取り組みになると思います。

4.ニホンザリガニや身近な水辺環境への関心を高める機会にする

 調査する人の調査場所は違っても多くの人たちと一緒に同じ目的のために調査をするというのは、めったにない機会です。自分たちが暮らす地域の自然についてあらためて考えてみる良い機会になると思います。継続していくことで、身近な水辺環境や自然環境の保全に役に立つ取り組みになると思います。


5.外来種問題による環境教育の普及


北海道に元々いない外来種のウチダザリガニ、アメリカザリガニが急速に分布域を拡大しています。要因は人による放流です。ザリガニソンによって、外来ザリガニをはじめとする外来生物を放流したり捨てたりすることは生態系に及ぼす影響や危険性を考える環境教育の場になることが期待されます。


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