ザリガニソン:ザリガニ・ウォッチング・マラソン

ザリガニQ&A(詳細)
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■ 生態に関する質問

Q1.オスとメスの見分け方は?
A1.
オスとメスを見分けるには
 ひっくり返してお腹を見て
 ください。
・右の写真のようになってい
 るます。小さなザリガニは
 見えにくいけれど、オスと
 メスとではハッキリと違い
 がわかります。
・オスにはお腹の真ん中に交
 接器という足のようなもの
 がありますが、メスにはあ
 りません。
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Q2.ザリガニの食べ物は?
A2.
ザリガニは雑食性ですが、主な食べ物は、落葉や水
 辺の植物を主食にしています。
・あとは、一緒に水の中にすんでいるヨコエビなどの
 水生生物、水に落ちた昆虫の死骸やミミズなども食
 べます。目の前にあるものはほとんど食べれるよう
 です。
・ただし、すばやく動けないので、水の中の生き物を
 つかまえる時は、動きのおそい生き物や水の中に落ちた昆虫などの死骸を
 食べたりします。
・水の中や地表に落ちた落葉は、バクテリアなどが繁殖し腐食します。落葉
 をバクテリアごと食べると意外と栄養があるとのことです。ザリガニは言
 いかえれば、水辺のそうじ屋さんなのです。
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Q3.ザリガニの寿命は?
A3.
アメリカザリガニは、1〜2年ぐらいで成熟し、
 寿命は4〜5年です。
・ウチダザリガニも2年ぐらいで成熟し、寿命は
 7年ぐらいです。
・ニホンザリガニは5年ぐらいかかって成熟し、
 寿命は10年ぐらいです。 
                                
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Q4.ザリガニはいつ頃卵を産み、卵の数は?
A4.
 ザリガニのすんでいる場所や水の温度で違いがありま
 すが、
・ニホンザリガニの場合は、4月ごろにタマゴを産み
 おおよそ3ヶ月ぐらいタマゴを抱えて、7月ごろに
 赤ちゃんザリガニが生まれます。
 タマゴは30〜60粒、多くても100粒くらいで
 す。
・アメリカザリガニの場合は、6月〜9月の産卵が多
 いようです。タマゴは200〜1000粒ぐらいを
 産みます。
・ウチダザリガニの場合は、11月ごろにタマゴを産
 み、5月ごろに赤ちゃんザリガニが生まれます。
 タマゴは100〜800粒ぐらいを産みます。
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Q5.エビかカニか? どっち?
Q5.
・ザリガニ類はハサミに注目するとカニ類とそっく
 りで、腹部に注目するとエビ類と同じです。まさ
 しくエビ類とカニ類を足して2で割ったような体
 型です。
・江戸時代の古文書の開設でも「頭はカニのようで、
 腹部はエビのよう」と記述されています。人間の
 感性は、昔も今も同じなのですね。
・ザリガニ類は、エビ類である。甲殻類の図鑑類を
 見ても、ザリガニ類をカニ類として扱っている図鑑はないようです。これ
 に対してほとんどの図鑑は、エビ類として扱っていますが、例外的にはザ
 リガニ類、カニ類、そしてエビ類を独立したグループとしているものがあ
 ります。
・ザリガニ類はエビの仲間と考えて大きな問題はないでしょう。
・多少の例外を気にせずにザリガニ類の形態を見ると、カニ類にはみられな
 いエビ類の形態がいくつかあります。例えば、長いヒゲ、その他にもザリ
 ガニ類では歩脚の一部がふたまたとなり、小さなハサミ状になっています
 。しかし、カニ類の歩脚は1本の指状となっています。
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Q6.ザリガニの目はどれくらい見えますか?

A6.
・ザリガニの目は、トンボやバッタと同じように複眼といって、約3000
 個ほどの小さい眼が集まってできています。どのくらい先まで見えるかは
 あまりわかっていませんが、ザリガニは複眼をとおして、「明るい色のも
 のが近くにある」、「暗い色のものが近づいてくる」、「まわりが暗くな
 ってきた」ことがわかる眼をもっています。
・眼の他に、まわりのようすをたしかめるために、頭のてっぺんから生えて
 いる2本の長い触角をさかんに動かして、まわりのようすをさぐります。
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■ 博物的な質問

Q1.ザリガニの語源は?

A1.
・「ザリガニ」の名称は、江戸時代から書物
 にでてきます。
・「ザリガニ」の語源には諸説あり、最も有
 名な説は、江戸時代の図譜で紹介されてい
 る「退行する(シサル)カニ」がザリガニ
 になったとするものです。水から出たザリ
 ガニのゆっくりと後ずさりする行動が語源
 になったのでしょう。
・その他、ザリガニ類は砂礫質の底質にすむ
 ので「砂利蟹」(ジャリガニ)がザリガニ
 になったとする説。体内に形成する白色の
 結石が仏舎利(ブッシャリ、仏の骨)を連
 想させることから「シャリカニ」になったとする説もあります。
・その他の江戸時代の名称には、フクカニ、イサリカニがあります。フクカ
 ニの名前の由来は「蝦夷福山之産ナル故福カニト称ス」とあり、ここでは
 ニホンザリガニがカニ類の仲間と考えられていたようです。なお、福山と
 は北海道南部に位置する現在の松前町のことです。
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Q2.ザリガニはアイヌ語では何というの?
A2.
アイヌ語では、多様なザリガニ
 の名称がみられます。
 資料上では少なくとも以下の6
 つがあります。
・ベーカルコヘ、ホルカレイエッ
 プ、ホルカアムシベ、タピシズ
 ンべコルベ、テクンペコルべ、
 テクンペクルカムイです。
・これらのうち、語源がわかって
 いるものを示すと、ホルカエイ
 エップは後ずさりする者の意味
 で、ホルカ・アムシベは後ずさ
 りするカニ、テクンペクルカムイは手袋を持った神様の意味です。
・ホルカ・アムシベはの語源は、ザリガニの語源とまったく同じです。人間
 の感覚は結構共通しているのですね。なお、文献によると、ホルカ・アム
 シベとホルカレイエップを使っていた地方は、北海道中西部で、テクンペ
 クルカムイは北海道東部で用いられていた記録があります。
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■ その他のザリガニに関する質問

Q1.ウチダザリガニの和名の由来?(外来種なのになぜウチダの和名?)

A1.
・ウチダザリガニは学名をPacifastacus
 leniusculusといいます。昭和初期頃に
 北米から移入された外来種です。食用と
 して全国各地の都道府県立水産試験場で
 養殖試験や放流試験が行われました。し
 かし移植試験の成功例は全国で2例だけ
 報告されており、北海道の摩周湖と滋賀
 県の淡海溜池です。
・ウチダザリガニの輸入当初の名称は、少
 なくとも5種類が確認されており、「畑蝦」「ザリタニ」「河蝦」「淡
 水大蝦」「クローフィッシュ」があった 「河蝦」などは淡水産で大き
 なハサミを持たないカワエビ類と紛らわしいことこのうえありません。
・ウチダザリガニの和名を付けたのは九州大学の三宅貞祥教授であり、三
 宅氏はウチダザリガニの調査に多大な協力をした北海道大学の内田亨教
 授の功績を称えてウチダの名を献名したのであります。
・このこと自体は何の問題もない美談であり、混乱していた名称が安定し、
 ウチダザリガニと言えば何を指しているかを共通認識できます。
・しかし、ウチダ=内田=日本人名との図式から、ウチダザリガニを在来
 種と誤解してしまう方が多いのであります。更にこの誤解から、ウチダ
 ザリガニを天然河川や湖に放流する人がいたため、ニホンザリガニの生
 息地が消滅した例が多数あります。また、水草などを食べてしまうため、
 在来の水生生物の生息地が危ぶまれている場所もあります。
・近年、ウチダザリガニは急速に生息域を拡大してきており、その原因は
 全てが人による放流であります。これ以上の生息域拡大を食い止めるた
 めにウチダザリガニを採取しての他の場所への放流は絶対にしてはいけ
 ません。
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